reGretGirl「デイドリーム (Daydream)」歌詞の意味と考察
――“醒めない夢の中で、生まれて初めてのサヨナラに堪える夜”
1. 楽曲の背景と概要
- アーティスト:reGretGirl(リグレットガール)
- 曲名:デイドリーム(Daydream)
- 作詞・作曲:平部雅洋(reGretGirl)
- リリース:2017年12月13日 (turn0search0)
ファン層には「リアルすぎてツライ」と失恋ソングの代表に挙げられることも多く、感情をぶつける力強さと切なさを併せ持つ名曲です。
2. 歌詞の引用とその読み解き
朝に目覚めて現実を認める瞬間
「君のもので溢れてる部屋で今朝も目覚めて
黄色い歯ブラシ みつめながら歯を磨く
あぁ そうか
もう全部夢じゃなかったんだ」 (歌ネット, TiTi Music)
愛で満ちた部屋で目覚めた幸福感から一転、すぐにそれが“夢ではなかった”と認識してしまう痛み。五感を使って現実を感じ取っている描写が、痛いほどリアルです。
別れの寂しさに引きずられる昼間
「今日はもう休んでしまおう
ってまた布団に入る
枕にはまだ君の髪の匂いが優しかった
夢ならいいのに
と唱えても眠れず昼が過ぎてた」 (歌ネット, TiTi Music)
布団に戻っても消えない匂い。“消えない記憶”と“現実への戻りたくなさ”が交錯する時間が切ない。
赤い糸が切れる音
「ふたりを繋ぐ赤い糸が
ちぎれてしまう音がきこえた
新しい誰かに出会うための
ものに変わってゆく気がした
ふたりの時間は色褪せていく
それでもサヨナラ」 (歌ネット, TiTi Music)
“赤い糸”=運命の絆。それが“ちぎれる音”“色褪せる時間”として聞こえる描写は、失恋の痛みを言葉で視覚化しています。
“期待”と“現実の齟齬”
「何度も開いたホーム画面に通知はなくて
何を期待してんだ
受け止めきれない現実と昼ごはんの
味はしない 喉を通らない」 (歌ネット, TiTi Music)
通知のないスマホと味のしないごはんは、**“抜け落ちた日常の足りなさ”**を表すミニマルな描写。でも、そこに「期待してしまう自分」がいて切ない。
夜に想いだけが重なる
「深い夜と滲む月明かり
繋いだ手を忘れてしまったのかい
欠けてゆく月とともに君の
気持ちも欠けていってしまったのかい」 (歌ネット, TiTi Music)
月と感情を重ね、「欠けていく」ことで共走するような印象に。“輝きの減る感覚”が痛々しいほど伝わってきます。
“嫌いじゃないのに、どうして?”の問い
「嫌いになったわけじゃないんだよ
どうしてサヨナラ?」 (歌ネット, TiTi Music)
好きだからこそわからないサヨナラ。「どうして?」という問いは答えのない問いで、聴く人の胸を締めつけます。
“悪い夢なら覚めてほしい”
「悪い夢なら早く覚めて 僕の元からいなくならないで」 (歌ネット, TiTi Music)
夢ならいい、だけどこれは夢ではなく冷たい現実。それでも夢であってほしい…という逃避と願望の狭間が胸に響きます。
“君の未来に僕がいない”への恐怖
連なる長いリスト:「僕の知らない誰かと…」で始まる日常のリスト (歌ネット, TiTi Music)
知らない誰かとの初体験や日常、名前で呼び合う関係、笑い合う時間…
すべてが自分の知らない君の物語になる恐怖。その想像だけでも心がざわつきます。
3. 何故この曲は共感を呼ぶのか?
- 五感で現実を描く圧倒的リアリティ:「黄色い歯ブラシ」「髪の匂い」「味がしない昼食」…感覚のリアルさが共感を生む。
- 情景と感情のミックス:具体的な風景に“失恋の痛み”を重ねる構成がじんわり刺さる。
- 切なさのオーケストレーション:問いかけ、願い、恐れ…。感情の波が流れるように展開する歌詞は “心を揺さぶる構成”だよね。
4. まとめ:「デイドリーム」が教えてくれること
reGretGirl「デイドリーム」 は、
- 夢か現実か分からないほど揺れた“失恋の朝”の描写
- 好きだった人との細かな記憶が日常を支配してしまう心
- 新しい誰かと過ごすかもしれない未来への恐れと、お願いだからそれが自分であってほしいという切実な願い
を繊細かつ情熱的に描いた、魂を抉る名曲です。
最後に
あなたにとっての「デイドリーム」は、どんな“痛み”を呼び覚ましてくれますか?
初めて振られたとき? 深夜に一人泣いたあの夜?
この歌は、そんな“忘れられない心の断片”をそっと抱きしめてくれる歌だと思うの。
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