B’z「イチブトゼンブ」歌詞の意味と考察|“欠けたままの人間同士が愛を育む歌”
1. 曲の概要
「イチブトゼンブ」は2009年8月5日にリリースされたB’zの46枚目のシングル。
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘。
フジテレビ系ドラマ『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』の主題歌として使用され、爽快なロックサウンドと人間の不完全さを見つめる歌詞が支持されました。
サビのフレーズ「君を愛してる でもイチブ」が印象的で、B’zらしい独特な哲学的ラブソングとして人気を確立しています。
2. 歌詞引用と考察
2-1. 完璧じゃない人間同士
「君を愛してる でもイチブ」
ここで強調されているのは「一部」。
人は誰しも欠けた部分、不完全な部分を持っている。
完璧に理解し合えなくても、それでも愛する――という、不完全な人間同士のリアルな愛を描いています。
2-2. 理想と現実のギャップ
「全部なんて知らない 知りたくもない」
恋愛では「相手を全部知りたい」と思いがち。
でも実際には「知らなくていい部分」や「知ってしまうと苦しくなる部分」もある。
歌詞はその矛盾をさらけ出し、**“理想的な愛”ではなく“現実的な愛”**を歌っているのです。
2-3. それでも愛は成り立つ
「それでも君を守りたい」
不完全で矛盾だらけでも、最後に残るのは「守りたい」という純粋な想い。
これは、愛とは理屈や完璧さではなく、結局“選び続ける意志”であることを示しています。
2-4. 稲葉浩志の歌詞世界
稲葉の歌詞は常に“人間の弱さ”を真正面から描きます。
- 欠けていることを認める
- 理想を追いすぎない
- それでも愛を育もうとする
この姿勢が「イチブトゼンブ」を単なる恋愛ソングではなく、“人間讃歌”へと昇華させているんです。
3. タイトル「イチブトゼンブ」の意味
タイトルは「一部と全部」。
- 一部=欠けている部分、知らなくてもいい部分
- 全部=全てを理解したいという理想
この二つを並べることで、**「人間関係の本質は、このギャップの中にある」**と表現しています。
恋愛も友情も仕事も、全部を知ることはできない。
でも“一部”しか知らなくても、一緒に生きていける――これがB’zの答えなんです。
4. サウンドの特徴
- 爽快なギターリフと疾走感あるロックサウンド
- ドラマの青春・恋愛テーマに合ったポップさ
- 稲葉の伸びやかで情熱的なボーカル
夏らしい爽快感と、歌詞の深さのコントラストが魅力になっています。
5. この曲が響く理由
- 不完全さを肯定する歌詞
「イチブしか知らなくても愛は成り立つ」というメッセージ。 - 恋愛ソングのリアルさ
理想論ではなく現実を描くからこそ共感できる。 - タイトルのインパクト
「イチブトゼンブ」という造語的フレーズが心に残る。 - サウンドと歌詞の対比
軽快なサウンドに深いテーマをのせるB’z流の手法。
6. まとめ
B’z「イチブトゼンブ」は、
- 人間の不完全さを肯定するラブソング
- 「全部を知らなくても愛は成立する」というリアルなメッセージ
- 爽快なロックサウンドと哲学的な歌詞の融合
- ドラマと共に世代を超えて支持される定番曲
を持つ楽曲です。
「イチブトゼンブ」とは、“欠けた人間同士が、それでも愛し合える”という人生の真理。
だからこの曲は、恋愛を超えて「人と人が生きていくこと」そのものを肯定する歌として響くのです。
👉 あなたにとっての“イチブトゼンブ”は?
全部知らなくても大切な人、一緒にいたい人…。
この曲を聴けば、そんな相手の存在を思い出すはずです。
コメント